お前好みのすごいトンネルがあるんだと連れて来られたのが、
千葉県君津市の奥米隧道(おくごめトンネル)でした。
三島湖が近くにあるからか、
壁には水が滲んでいてなんとなくカビ臭いトンネルです。
短いトンネルを抜けると、
すぐ先に次のトンネルが見えます。
奥米隧道はもともとひとつのトンネルだった場所で、
山が崩れた時にトンネルがふたつにわかれて、
そのまま通れるようにしたそうです。
そして近くの三島湖で水難事故があって、
被害者の霊が出ると聞いて私はすぐに帰ろうと訴えました。
友人2人(A、B)はせっかくここまできたんだからといって、
2つの奥米隧道を最後まで行こうということになります。
そもそも私は廃墟が好きなので心霊現象はお断りなのですが、
友人にはどっちもおんなじだろと理解してもらえません。
日が暮れてから移動するのでおかしいとは思ったのですが、
私は肝試しに付き合わされたようです。
ふたつ目のトンネルは途中で手掘りの壁になって、
確かにこの手掘りの感じは私の好きな雰囲気です。
トンネルの壁に何故か小さな穴がほってあって、
排水口代わりのトンネルになっているそうです。
中を覗き込むと確かに水が溜まっているようで、
水滴が落ちる音が聴こえます。
私と友人Bに続いて友人Aが覗き込もうとすると、
排水溝の奥で何かが動いたような音がして
全員の動きが止まります。
多分ネズミだろうと頭ではわかっているのですが、
場所が場所だけに不安が膨らみます。
3人の沈黙を破ったのは排水口からの音でした。
さっきよりも近くで何かが動いた音がします。
これはネズミでは無いなと思いしたが、
心臓はバクバクで次に何をしたらいいのか全く思い付きません。
真っ先にBが動き出した後に、
Bに釣られるようにして私とAが動きます。
地図を見ると、
多分あの排水口は三島湖を向いて彫られていたはずです。
どうして三島湖で事故が起きたのに、
奥米隧道に幽霊が出るのか引っかかっていたのですが、
排水口をつかって幽霊が移動しているのだと思います。
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