金太郎こと坂田金時達が退治したものの、
動かすことが出来なかった大江山の酒呑童子の首。
酒天童子の首は首から上の病を治すというので、
鬼の首を埋めた場所が京都府西京区にある首塚大明神です。
京都旅行でおとずれたのですが、
なれない場所なので道に迷ってしまい、
首塚明神へたどり着くころには、
日が暮れていました。
国道9号線の賑やかさが、
小道を入った途端に静まり返り。
人気のない家屋や竹林が更に雰囲気を高めて、
このまま引き返そうかと思うぐらい心細くて、
せっかくここまで来たのだからと思い、
頑張って首塚明神を目指します。
こじんまりとした鳥居をくぐって、
石段を登ると首塚明神なのですが、
境内が見えるくらいまで登ると、
地面からさっと影が逃げるのが見えました。
ネコでもいるのかと思い影がいた辺りに近づくと、
そこには飲みかけのワンカップが倒れていました。
動物ならとっくに遠くに逃げているはずなのに、
辺りを見渡すと物陰に隠れるように
動く影が視界の隅に映ります。
酒天童子は酒の好きな鬼です。
ここで鬼にまつわる何かが酒を飲んでいたと考えると、
寂しさが怖さになり、急いで国道9号線まで帰りました。
壁にもたれるようにして寝たのがいけないのか、
酒を邪魔された事で怒ったのか、
朝起きたら寝違えていました。
この場所の由来について調べてみると、
面白いことが分かります。
首塚明神は道祖神、
つまり旅の安全の祈願と。
国境の守護を司る「境の明神」の役割があるのですが、
この境の明神は男女一対なのです。
境界の外を男が守り、
境界の内を女が守っています。
酒天童子がその役割を持っているとしたら、
もう一体の鬼がいても不思議では無いかもしれません。
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