何か乾いたものを踏み砕いた音に足元を見たら、
動物の骨を踏んでいた。
この辺りに住む動物が敵に襲われたのだろうか、
それとも寿命だったのだろうか。
北海道三笠市の唐松に点在する炭鉱跡は、
もう自然の一部になっているようだった。
かっては坑道への入り口だった門と、
施設の跡が残るだけになっている。
坑道への入り口はコンクリで塞がれ、
中がどうなっているのかはわからない。
幾つか炭鉱跡を回ったが、
特に印象深いのは奔別炭鉱だった。
建物を突き抜けているように見える大きな鉄骨の櫓。
掘り出した石炭を貨車に積む作業をおこなっていた巨大な建造物。
鉄骨の櫓のある建物は、
鉱山を閉じた後の撤去作業中にガス爆発を起こしてしまい、
建物の一部が鉄骨だけの状態になっている。
風格と物悲しを組み合わせた奇妙な建物は、
どうしても印象に残ってしまう。
ガス爆発の際に何人か亡くなられたそうだが、
この後の出来事はこの事件が関係しているのかもしれない。
その時は気がつかなかったが、
写真をSNSに上げるために加工している時だ。
ガス爆発がおきた建物の加工を始めると、
何かがおかしかった。
しばらくして鉄骨がむき出しになった辺りに、
影にしては少しだけ濃い所があることに気がつく。
それはなんとなく人の顔のように見えて、
事故で死んだ事を知らない作業員の霊かも知れない。
そう思うと胸騒ぎがして、
この画像を見たくなくて作業を中断した。
数日後に霊感のある知り合いに加工前の画像を見てもらうと、
すぐに消去した方がいいとアドバイスをもらい。
他の唐松周辺の炭鉱跡の画像を見てもらうと、
何枚か気になる画像があるようだった。
知り合いに会うまでの数日間は、
アプリがよく応答無しになっていたが、
画像を消去してからは今まで通りにつかえている。
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