1596年、
小田原攻めに向かう武田軍に対し、
北条氏照が陣を構えて迎え撃つ。
しかし武田軍に押され、
滝山城に籠城するも壊滅寸前まで追い込まれた。
その時の戦で死んだ武者の霊が、
滝山城跡にさまよっている。
血なまぐさい戦跡も、
今では自然豊かな滝山公園になっているのです。
その日は滝山公園を目的にサイクリングをしていました。
地図を見ると、
曲がれば近道が出来そうなポイントがあり、
それで予定していた道から外れて、
別の道を進んでいったのが間違いでした。
薄曇りの天気だったけど、
のどかな風景を自転車で走るのは気持ちがよく、
地図だとそろそろ曲がる場所だと思っているのに、
一面田んぼばかりで曲がる道が無い。。。
何処かで道を間違えたらしく、
その後も何度か引き返しながら
目的の滝山公園がある山にたどり着きました。
もっと登りやすい入り口があるのに、
自分が見つけたのは裏口のような入り口だったらしく、
そこは整備もろくにされていない道で、
道標のように白百合が所々咲いてたのを覚えています。
草木の量が増えて来て、
また道を間違えたのでは無いかと不安になっていたとき。
奥の木々の間を、
白いモヤッとした塊が動いたのが見えたのです。
それも一つではなく、
よく見ればあっちにもこっちでも塊が動いていました。
動いている塊がなにかは分からないけど、
自分が別の方向に進んでいるのはハッキリと分かったのです。
とにかく急いで山を降りたので、
何度かこけてあちこち擦りむいてしまいましたが、
それでも何とか山の入口まで戻って来れました。
来る時は気持ち良かった道路も、
薄曇りの気味悪い景色にしか見えなくなっていました。
今にして思えば、
あのモヤッとした塊が武士の霊だったんだと思います。
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