これは私の友達が経験した話です。

徳島県神山町阿川トンネルということがあります。

今は新しい道ができてあまり車が通ることはなくなった
トンネルですが古くてボロボロというわけでもなく、
有名な心霊スポットというわけではありません。

その夏の夜、友達は彼氏と一緒に町内をドライブした後、
阿川トンネルの近くで少し休憩をしようということで車の後部座席に
ふたりで座って話をしていたそうです。

車を止めて後部座席に移動すると同時に
なぜかそれまで暑かったのにいきなり体が冷え始めたそう。

それでもふたりで話をしていると、
カーオーディオから流れる音楽が途切れるようになってきたので
おかしいなぁと思いながらも、ふたりとも疲れていたので
そのままうとうとし始めた時。

ふと友達が窓の方に目をやると、
カーオーディオの光に浮き出された腕の影が
おいでおいでするように揺れているのが見えたらしい。

「ひっ!」と声を上げると、彼氏すぐさま
「目を閉じて!見るな!」と叫んで移動しはじめた。

「今から移動するから絶対目を開けるなよ」と言われ
友達は寒さと恐怖で震えながら目をきつく閉じていたそう。

でも、なぜか車はなかなか動かなくて
彼氏がブツブツをお経を唱え始めてやっと車が動きだしたらしい。

彼氏が車を止めて目を開けていいよと言われたのは、
町内から出て徳島市内に入ってから。

彼氏に聞くと、オーディオの音が途切れはじめた時には
彼氏にはもう何かがいる気配を感じていたそう。

それでも、友達を怖がらせたくなくて
心の中でお経をあげていたけど効果がなかったって。
彼氏は子供の頃から霊感が強い人らしい。

その後、友達が親に阿川トンネルって何か事故があったか聞くと
もうかなり前に自転車に乗った男の子が交通事故になって
亡くなったことがあったという話をしてくれたんだけど、
気になって図書館で新聞調べてみたら
友達がその腕を見たその日が、命日だったらしい。

関連する心霊情報