TV番組で紹介されたこともある岡山県新見市の心霊スポット、
育霊神社へ訪れた時に体験した不思議な出来事です。
鎌倉から室町へ変わろうとしている時、
そこには斉藤尾張守影宗が治める城がありました。
敵との争いが劣勢のなか、
城から一族を退避させたものの敵の追撃は激しく。
斉藤の娘は猫と共に敵兵に追われ、
斉藤の娘を守ろうとした猫と共に斉藤の娘は死んでしまう。
娘の死を知った斉藤は娘と猫のための祠を作り、
その祠の前で怒りのままに敵兵を呪うと敵兵は次々と怪死した。
姫を守るために死んだ猫が、
死んだ後も呪いという形で姫の家族を守ろうとした物悲しい話ですが、
この話から育霊神社は丑の刻参りの場として知られています。
お盆休み後のバタバタした作業も落ち着いた休日前の夜、
どこかへ出かけたいと思いながら掲示板サイトの地方情報で目に止まる書き込みが。
「今藁人形持って育霊神社に来た。
パワハラ管理職にパワハラ職人達楽しみにしてろ」
こんな書き込みを真に受けるのもどうかと思いながら、
もしかしたら丑の刻参りの跡を見られるのでは、
そんなちょっとした好奇心から翌日は育霊神社に行く事に。
山道を車で走っていると平地と違って暑さも軽やかで、
自分がどういう場所へ向かっているのかを忘れて、
ちょっとしたドライブ気分でした。
育霊神社近くの道路は道幅も狭く、
看板の案内に従いたどり着いた育霊神社の駐車場に車をとめ。
山村を歩きながら奥の院の入り口になる鳥居まで着くと、
そこには欝蒼と茂る森を通る枯れ葉の積もった傾斜のある山道が待っていました。
途中に設置された東屋で山の涼しさを感じながら汗が引くのを待ったり、
すっかり丸くなった猫の石像にこの神社が過ごした年月を感じながら
たどり着いた奥の院を散策。
真新しい丑の刻参りの痕跡が
無いことにどこか安堵しながら、
猫地蔵や小さな祠の招き猫等をひと通り見て
下山している時にそれは起こりました。
東屋で休憩をしていると天気が変わったわけでも無いのに、
汗が収まっていくのに合わせてだんだん寒くなっていくんです。
お盆を過ぎたとは言えまだまだ気温は高く、
ここが山の中とは言えそんなに日が傾いているわけでもない。
タオルを肩にかけたり体を手でこすっても本当に気休めで、
自分に何が起きているのか分からない恐ろしさから何も考えられず。
此処から早く立ち去りたい。
とにかく体を動かせば、太陽の光が届くところまで行けば
暖かくなるかも知れないと思い東屋を出発。
焦りから積もった落ち葉に
何度も足を滑らせながら夢中で鳥居をくぐり、
駐車場にとめた車までたどり着き
気持ちが落ち着いた頃には寒くなくなっていました。
後から考えれば駐車場近くの社務所で
私に起こった出来事を話せば良かったのでしょうが、
その時の私はただただ恐ろしくて、そのまま車を出発させていました。
帰り道もその後も何も起こらなかったのですが、
あの出来事は興味本位で訪れた私への注意で
神様が私の肝を冷やされたのかもしれません。
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