犬鳴村は、戦前ハンセン病などで一般社会から
隔絶された人が住んでいたと言われている。

村の入り口には「ここより先、大日本帝国憲法は通用せず。」
と書かれた看板があるという。

日本の地図からは完全に抹消されており、
人々は自給自足で暮らしている。

ある若いカップルが面白半分で犬鳴村に入り、
入り口を少し進んだところで惨殺された。
傷跡は刃物によるものであった。

入り口から少し進んだところに広場があり、
ボロボロのセダンが置いてある。

柵がしてあり、入るには乗り越えるしかないが、
乗り越えたところに紐と缶の仕掛けが施されており、
それに引っかかると大きな音が鳴り響き村人が出てきて、
冷やかしなどで侵入した者を鎌を持った犬鳴村の住人が追いかけ回すという。

ここで、心霊体験を一つ紹介しようとおもう。
山を降りて県道をしばらく走っていると赤信号で前に車が停まっている。

「ヤバい」と思った直後、前に停まっていた車に衝突した。
このとき運転していた人は今まで無事故無違反のゴールド免許だった。

運転手によれば「ブレーキしたけど止まらなかった」と言う。
大した怪我もなく大きな事故ではなかったが、
犬鳴峠に行ってきた直後ということもあって『祟り』という言葉が頭に浮かんだ。

十数分後、ようやく県道に辿り着き、車内に安堵の雰囲気が漂った。
ハンドルキーパーが口を開く。

「急いでて言ってなかったけど、半ドアですね。
閉めてもらえます?」走行したまま、ドアを少し開け、閉める。

「あれ、おかしいな。まだ半ドアだ」再度閉めるが、
半ドアのランプは点灯したままだ。故障とは思えなかった。

そして、県道のトンネルに差し掛かったその時、
「ドンッ!!」車の屋根に何かが落下した。かなりの重さを持った何か。

もし車の屋根に犬の遺体が落下したら、
ちょうどこのような音になるような…。

恐怖を感じ、脇目もふらず車を走らせた。

峠を越えたところにあるコンビニの駐車場にかけこむまで、
全員が身をすくめていた。

車を降りて屋根を確認するも、何の痕跡もなかった。

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