いまからおよそ15年ほど前の話になります。
私は当時通っていた大学の研究旅行で東北の
岩手県遠野市を訪れることになりました。

民間伝承の地である遠野は不思議な物語が多い場所でした。
教授と一緒に各地を回る際に訪れたのがこの「おしらさま」でした。

中に入ってみると強い圧を感じました。
中央に太い神木?が一本。その四方の壁にはひたすら人形。

人形、人形・・・。人々の思いの形なんでしょうが、なぜか壁が赤く、
そして頭上からおしらさまに見下ろされている状態であることもあり、
無礼とは思いつつも悲鳴があがったりもしていました。

その日の夜。
旅館の中で一人青い顔をして下を向いている女の子がいました。

周囲は楽しい宴会の真っ最中ですから、気になりました。
どうしたの?と声をかけると「おしらさまがいる」というのです。

どこにいるの?「私の斜め上。上のほうから見てるの。
さっき気がついた。怖くて顔を上げられない」といいますが、
その子の頭上、斜め前、もっといってしまえば
部屋の壁や天井のどこにもなにもないのです。

おしらさま??何もないよ??
「いるの。どうしよう。私がさっき悲鳴を上げたから
怒ってるのかもしれない。どうしよう。怒ってる。どうしよう。
どんどん近づいてくる」小刻みに震えながらそう漏らす彼女に
周囲も気がつきました。

教授がさっと立ち上がり、彼女を連れて行きました。
「いいかい?ずっと下を向いて、目を閉じているんだよ。
決して、目を合わせてはいけないよ」
そういっていたように聞こえましたが、詳しくは分かりません。

翌日、彼女はいませんでした。
体調不良を理由に旅行を切り上げて帰った、とのことでした。

旅行の後にお土産を持って彼女に渡したところ、
彼女は何も覚えていませんでいた。

どれだけそのときの様子を説明しても、
「わからない。覚えていない」というのです。

確かに忘れてしまったほうがいいのだろうとは思いますが。。。
東北の地で、このようなことがありました。以上。

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